「うちの社員は主体性がない」は本当か? ― 人の問題ではなく環境の問題かもしれない

悩む管理職

はじめに:「もっと主体的に動いてほしい」

経営者や管理職とお話ししていると、
よく耳にする言葉があります。

「うちの社員は主体性がなくて…」

  • 指示を待っている
  • 自分で考えない
  • 提案が出てこない
  • 言われたことしかしない

そんな状況を見ていると、
そう感じるのも無理はありません。

しかし、本当に社員の主体性が低いのでしょうか。

よくある誤解

主体性という言葉を聞くと、
多くの人は

「本人の性格や意識の問題」

だと考えます。

例えば、

  • 積極的な人
  • 消極的な人

の違いだと思われがちです。

しかし実際には、

主体性は個人だけで決まるものではありません

主体性は「環境」との相互作用で生まれる

考えてみてください。

入社当初は意欲的だった社員が、
数年後には指示待ちになっている。

そんなケースを見たことはないでしょうか。

もし主体性が生まれつきの性格だけで決まるなら、
この変化は説明できません。

つまり、

主体性は環境の影響を大きく受ける

ということです。

主体性が失われる3つの要因

①考える前に答えが与えられる

上司が優秀で面倒見が良いほど、
つい答えを教えてしまいます。

しかし、
毎回答えをもらえる環境では、
人は考えなくなります。

②失敗が許されない

主体的に行動すると、
当然ながら失敗することがあります。

しかし、

  • ミスを責められる
  • 挑戦が評価されない

という環境では、
人は安全な行動を選びます。

③意見を言っても変わらない

会議や打ち合わせで、

  • 提案しても採用されない
  • 意見を言っても反応がない

そんな経験が続くと、
人は発言しなくなります。

主体性のある人を育てるのではない

ここで重要なのは、

「主体性のある人材を探す」

ことではありません。

本当に必要なのは、

「主体性が発揮される環境をつくる」

ことです。

主体性を引き出す3つのポイント

①目的を共有する

人は、
「何をするか」よりも
「なぜやるのか」
が理解できたときに動き始めます。

②判断を任せる

すべてを任せる必要はありません。

まずは小さな判断から。

自分で決める経験が、
主体性を育てます。

③対話を増やす

主体性は命令では生まれません。

問いかけや対話の中で、
少しずつ育っていきます。

主体性は結果であって原因ではない

ここが重要です。

多くの経営者は、

主体性があるから行動する

と考えます。

しかし実際には、

行動できる環境があるから主体性が育つ

ことも少なくありません。

つまり、
主体性は原因ではなく、
結果なのです。

より詳しく知りたい方へ

主体性や自律型組織については、こちらの記事で詳しく解説しています。

⇒「小さな会社から始める "自律型組織" のつくり方
⇒「任せても動かない…は本当か?
⇒「部下が動かないのは "やる気" の問題ではない

まとめ

「うちの社員は主体性がない」

そう感じたとき、
まず考えたいのは社員の問題ではありません。

  • 目的は共有されているか
  • 判断を任せているか
  • 対話があるか
  • 挑戦できる環境があるか

主体性は、
人に求めるものではなく、
組織の中で育まれるものです。

環境を整えることで、
人は少しずつ自ら考え、行動するようになります。


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