なぜ社長の想いは社員に伝わらないのか? ― 「伝えている」と「伝わっている」の大きな違い

はじめに:「何度も話しているのに伝わらない」
経営者の方とお話ししていると、こんな言葉を耳にすることがあります。
- 「理念は何度も説明している」
- 「朝礼でも話している」
- 「会議のたびに伝えている」
それでも、
- 社員の行動が変わらない
- 思うように動いてくれない
- 自分の想いが伝わっている実感がない
そんなもどかしさを感じている経営者は少なくありません。
それは決して珍しいことではないのです。
よくある誤解
こうした状況になると、
「もっと繰り返し話そう」
「もっと熱意を持って伝えよう」
と考える方が多くいます。
もちろん、それも大切です。
しかし実際には、
「伝える回数」が問題なのではありません。
本当の違いは、
「伝えた」と「伝わった」は同じではない
ということです。
社長は100回考えている。社員は今日初めて聞く。
経営者は、新しい方針や理念について、
何日も、何週間も、時には何年も考えています。
頭の中で何度も整理し、
迷い、
悩み、
ようやく言葉にして社員に伝えます。
しかし、社員はどうでしょう。
その話を聞くのは、
今日が初めてかもしれません。
経営者にとっては「何度も話していること」でも、
社員にとっては「まだ理解し始めたばかり」の話なのです。
この時間差を忘れてしまうと、
「なぜ伝わらないのだろう」
というすれ違いが生まれます。
想いは言葉だけでは伝わらない
もう一つ大切なことがあります。
それは、
社員は社長の「言葉」だけでなく「行動」も見ている
ということです。
例えば、
「挑戦しよう」と言いながら、
失敗を厳しく責めてしまう。
「社員を信頼している」と言いながら、
社内では感謝の言葉が少ない。
こうした小さなズレは、
社員にとって大きなメッセージになります。
だからこそ、
理念は掲示するものではなく、
日々の行動で示すものなのです。
想いは「対話」の中で育っていく
想いは、一度伝えたら終わるものではありません。
社員一人ひとりが、
- 「なぜ、この会社はそれを大切にするのか」
- 「自分の仕事とどうつながるのか」
- 「現場ではどう行動すればいいのか」
を考えられるようになって初めて、自分ごとになります。
そのために必要なのが、
対話です。
一方的に説明するだけでなく、
問いかけ、
考えを聴き、
一緒に意味を確認する。
その積み重ねが、
理念を「会社の言葉」から「自分たちの言葉」へと変えていきます。
想いを伝える前に、未来を共有する
ネクサーブでは、組織づくりをご支援する際に、
いくなり制度やしくみの話から始めることはありません。
まずお聴きするのは、
「どんな会社をつくりたいですか?」
という問いです。
なぜなら、
理想の未来が共有されていなければ、
どんな制度も、
どんな会議も、
どんな評価制度も、
形だけになってしまうからです。
未来を共有し、
その未来へ向かう理由を共有する。
そこから初めて、
組織づくりは動き始めます。
想いは「伝える」のではなく「共有する」もの
経営者の想いは、
社員に押し付けるものではありません。
また、
社員が一方的に受け取るものでもありません。
大切なのは、
対話を通じて、
「私たちはどんな組織を目指すのか」
を一緒に考えていくことです。
そのプロセスを経ることで、
想いは少しずつ組織全体の価値観となり、
日々の判断や行動に表れるようになります。
より詳しく知りたい方へ
理念の浸透や組織づくりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
⇒「理念を掲げても組織が変わらない本当の理由」
⇒「対話が組織を変える」
⇒「なぜ今、中小企業に組織開発が不可欠なのか」
まとめ
社長の想いが社員に伝わらないのは、
「想いが足りない」からではありません。
また、
「社員の理解力が足りない」からでもありません。
大切なのは、
- 理想の未来を共有すること
- 日々の行動で示すこと
- 対話を通じて意味を共有すること
です。
想いは、一度伝えれば浸透するものではありません。
対話を重ねながら少しずつ共有され、組織の文化へと育っていきます。
その積み重ねが、
社員一人ひとりの行動を変え、
やがて会社全体の力になっていくのです。

まずは、あなたの「心から実現したい未来」を
お聴かせください
具体的な施策が決まっていなくても構いません。
整理されていなくても問題ありません。
対話を通じて、これから進むべき方向を
一緒に描くところからはじめましょう。

